「生水でそのまま飲むよりも安心」「嫌なニオイも取れて一石二鳥」

とあまり深く考えずに水道水を沸騰させて飲んでませんか?(私も以前はそうでした)

まずい水道水でも一度沸騰させるとカルキ(塩素臭)が抜けておいしく飲めますもんね。

でも実際は沸騰させることによって 有害物質が増えたり濃度が上がってしまう恐れもあるんです!

沸騰させて飲んでる人ってどのくらいいるの?

水道水を沸騰させて飲んでいる人ってどのくらいるのでしょうか?

大阪市水道局が実施したアンケートがあったのでお借りしました。

以下の円グラフは浄水器を通さずに水道水を飲んでいる、と答えた人を対象に、沸騰させるかさせないかを表したものです


参照:平成29年 大阪市 水道事業に関するアンケート

水道から出る生水をそのまま飲むのはみなさんやっぱり気になるのでしょうか、

約7割もの人が一旦沸騰させてから飲んでいるという結果になってます。

水道水を沸騰させるとトリハロメタンが数倍に!

水道水を沸騰させるときに厄介なのがトリハロメタンです。

トリハロメタンは1970年代、「水道水に発ガン性物質が入っている」ということで大きく話題になった有害物質。

その後、トリハロメタンの検査が義務付けられ、水道事業者さんもさまざまな低減化対策をやってくれてるようですが、今現在でも蛇口から出る水道水には多かれ少なかれトリハロメタンは入ってるんです。

トリハロメタンは塩素消毒の副産物なので、塩素消毒にたよっているからにはしかたのないものですが、

このトリハロメタン、沸騰によって数倍に増えてしまうことがあるので困ったものです。

大阪市水道局が過去に行ったテストでは沸騰してから5分後にピークを迎え、トリハロメタンの濃度が約3.5倍にまで増えてしまっています。

出典:大阪市水道局

このデータを見ると何分沸騰させるか?によってトリハロメタン濃度が大きく違ってくる事がわかります。

トリハロメタンを取り除くには最低でも10分、しっかり効果を得るには15分くらいは沸騰を続けたいところですね。

浄水器を通した水なら沸騰させても安心

「お茶やコーヒーを飲むために10分以上沸騰させるなんてめんどくさーい!」

確かに面倒ですよね、急なお客さんなんて来たときにも困ったものです。

でも大丈夫!残留塩素を取り除いた水なら安全に沸騰できます。

トリハロメタンが増えるのはその水に中に塩素が含まれている場合だけなんですね。

だから、浄水器を使うなどして残留塩素を取り除いた水ならトリハロメタンは増えないんです。

日本で売られている浄水器のほとんどは残留塩素の除去能力があるものなので塩素を取り除いてから沸騰させれば安心です。

沸騰で効果がないもの

水道水には金属がイオン化して溶けこみ有害になるものがあります。

その中でも有名なのが鉛(溶解性鉛)、発ガン性物質であり、消化器系や神経系の障害、胎児や乳幼児の発達障害などなど、さまざまな健康被害が確認されています。

1990年代以降、鉛管を安全な水道管へ交換する作業がすすめられていますが、今もなお残存している鉛管があるので注意が必要なものとして常に名前が上がってくるものです。

沸騰では鉛のように水の中に溶け込んだ金属イオンは除去することができません。

アルミニウム

アルミニウムは浄水場で原水の汚れを凝集するために使われるもので、その一部が水道水に残ってしまいます。

アルミニウムはわたしたちが普段食べている野菜や魚介類、穀類にもの含まれるものなので過度に怖がる必要はないともいわれますが、

「アルツハイマーの原因になるのではないか?」なんて恐ろしい指摘もあるのでできれば取り除いておきたい物質です。

浄水器では中空糸やセラミックといったマイクロフィルターで比較的簡単に除去できるものですが、沸騰では取り除くことはできません。

硝酸態窒素

妊婦さんや赤ちゃんがいるご家庭では特に注意していただきたいのがこの硝酸態窒素。

硝酸態窒素は農業で使う肥料や生活排水、家畜の排泄物などが原因の汚染物質です。

水道水だけでなく市販されているミネラルウォーターの中に硝酸態窒素が混入しているものも実は少なくありません。 (大手メーカーさんでも普通に入ってます)

水道水の場合、水質基準項目として監視されていますが、浄水場の処理では取り除くのが難しく。汚染されてない水を混ぜてなんとか基準値内におさめて運用している浄水場もあるそうです。

また、基準値そのものが甘すぎるのじゃないかという声もあり、水道水の有害性を語るときには必ず出てくる物質です。

赤ちゃんや無胃酸症、低胃酸症の人は血液が酸素を運べなくなってしまう病気「ヘモグロビン血症」になる危険が高いので浄水場が公開している水質検査結果をチェックするなど十分に注意してくださいね。

カビ臭

水道水に付いたカビ臭は沸騰だけでは取り除くのは難しいです。

カビ臭そのものは水源地で発生した藻類が作り出した臭い物質で、本物のカビのような毒性はなく健康への影響はない、とされています。

ただ、飲むにしてもお料理に使うにしても不快感はなかなかのもの、健康を害さないとしてもなんとかしたいですよね。

カビ臭取り除くには活性炭が有効です。 水道水のカビ臭でお悩みなら活性炭フィルターが付いた、浄水器がおすすめですよ。

効果がないだけでなく有害性が高まる危険性も

私が沸騰で一番心配している部分がこれ、

沸騰は長時間すればするほど、蒸発して少なくなってしまいますよね。そこで問題になってくるのが有害物質の濃度が上がってしまうこと。

揮発して空気中に飛んでいくものならいいのですが、沸騰で飛んでいかない有害物質は要するに煮詰まっちゃうわけですね。

水質基準で守られている水道水も煮詰まって濃度が上がってしまえば、また話が違ってくるので、気をつけましょう。

沸騰で効果があるもの

残留塩素

残留塩素はほんの数分の沸騰で簡単に除去できます。

那覇市上下水道局がおこなった実験では沸騰後1分間の加熱で残留塩素がゼロになってます。

水道水を沸騰させるとおいしく感じるのは残留塩素(カルキ臭)がなくなったことによる部分が大きいのでしょうね。

菌やウイルス

菌やウイルス対策として沸騰はかなり有効な方法です。

ウェルシュ菌やセレウス菌など一部、沸騰では効果がない物もありますが、人間にとって有害な細菌やウイルスのほとんどは沸騰させることで死滅します。

水道水で食中毒になる、なんてことは今の日本では考えにくいかもしれませんが、井戸水や湧き水、貯水タンクを使っているようなところではO157やノロウイルス、カンピロバクターなどの食中毒事故がちょくちょく起こっています。

参考: 水質汚染事故等の発生状況

揮発性の有害物質

地下水を水源としていたり井戸水を利用している地域でテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンといったいわゆるハイテク汚染物質が問題になることがあります。

この テトラクロロエチレンやトリクロロエチレンには揮発しやすい性質があり、沸騰することで簡単に取り除くことができます。

出典:愛知県衛生研究所

このように揮発性の高い有害物質に対して沸騰は大変有効な手段になります。

トリハロメタン※10分以上の沸騰が必要

前述のとおり、5分程度の沸騰では逆に増えてしまうトリハロメタンですが、10分以上加熱することで大幅に減少させることができます。

大阪市水道局の浄水場の煮沸テストによると 完全に取り除くには50分間の加熱が必要とのこと。

沸騰させる時に気をつけること

フタをしない

フタをしてしまうと、有害物質が空気中に飛んでいくのを妨げてしまいます。

なので沸騰したらヤカンのフタは外して、 有害物質が飛んでいきやすくしましょう。

最低10分間は沸騰させる

前述のとおり5分程度の沸騰ではトリハロメタンが増えてしまいます。

トリハロメタンのことを考えるなら最低でも10分間の沸騰が必要ということでしたね。

ただ、これも前述しましたが、

揮発しない有害物質は沸騰時間がながければ長いほど濃縮されてしまいます。

やはり水道水の有害性を除去するという、目的では浄水器の方が圧倒的に優れています。

長期保存しない

蛇口から出たままの水道水は塩素の殺菌効果によって守られていますが、沸騰によって塩素を牛待った水は菌の繁殖に弱いことを忘れないでください。

一度沸騰させた水は必ず冷蔵庫にしまいましょう。また、冷蔵庫で冷やしているとはいえ、何日も使うのは避けたほうがいいでしょう。

沸騰よりも浄水器がおすすめな理由

沸騰による有害物質の除去は蛇口につけるような手軽な浄水器よりも劣ります。

沸騰と一般的な浄水器とどれほど違いがあるのか?ここでは蛇口取付型浄水器で人気の機種クリンスイ(MD101)を例に浄水能力を比較してみました。

クリンスイのMD101は本体価格3,000円程度、カートリッジは2,500円前後で寿命は3ヶ月のローコストな浄水器です。(価格は2019年6月現在 大手ネット通販を参考)

 沸騰浄水器(クリンスイMD101)
雑菌
残留塩素
総トリハロメタン◯※1
鉛(溶解性)×
カビ臭(2-MIB)×
アルミニウム×
赤サビ×

表)クリンスイ公式HPを参考に作成
※1)10分以上の沸騰が必要

いかがでしょうか?浄水器を使えば鉛やアルミ、赤サビなど沸騰では除去できない有害物質も除去できます。

ある程度の費用はかかりますが、トリハロメタンを気にして10分以上も沸騰させる手間を考えれば安いものって気になりませんか?

硝酸態窒素にはRO浄水器

前述の硝酸態窒素ですが一般的な浄水器では取り除くのが難しいやっかいな物質なんです。

硝酸態窒素の除去能力に優れているのは逆浸透膜の技術を使ったRO浄水器というタイプ。

RO浄水器は購入すると高価なものですが、最近では月額3千円台から利用できるレンタルタイプのものが普及し始めています。

RO浄水器はミネラル分まで除去してしまうというデメリットもありますが、有害物質の除去能力ではピカイチの性能を誇る浄水器です。

「ミネラル分が除去されるとやだなー」って人は、RO浄水器を通した水にミネラルをプラスした宅配水(アクアクララやクリクラなど)もあります。

まとめ:10分沸騰させるくらいなら浄水器の方がいいんじゃない?

残留塩素の除去や食中毒の予防としては抜群の効果がある「沸騰」ですが、その他の有害物質にも目を向けてみるとデメリットも多いことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

今は昔とは違って、トリハロメタンや溶解性鉛まで除去できる浄水器がお手頃価格で手に入る時代です。

トリハロメタンを気にして10分間も沸騰させるくらいなら、手間も光熱費もかからない浄水器の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

▼参考文献

からだが若返る水の飲み方選び方
著者: 藤田紘一郎

浄水器かしこい選び方・使い方
著者: 池 裕太郎

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